日本の食文化4- 刺身=さしみ=SASHIMI

刺身=さしみ=SASHIMIとは?

 

 刺身(さしみ)とは、魚介類などの素材を非加熱のまま小片に切り、醤油などの調味料で味を付けて食べる日本料理である。造りやお造りなどとも言います。

刺身は素材そのものを味わう料理で、新鮮で味の良い旬の素材を用意することが大切です。

 

素材を生かして美しく造るための切り方も重要で、専用の刺身包丁などを用いて、素材に応じた切り方、盛り付けがされます。

 

刺身には「つま」という野菜や海藻が添えられる。「つま」も美しく切り造り、刺身に添えて盛りつけ、一緒に食べる。「つま」は生のままのダイコンやワカメなどが多い。

 

「つま」のなかで、特に風味を与えるものを薬味と呼ぶ。刺身の薬味はワサビに加えて、ショウガやウメ、からしなど様々です。

 

 

刺身=さしみの歴史

 

 さしみはもともと原始的な料理であり、魚の生食自体は世界各地で自然発生した可能性が高い。

刺身の文献上で初めては1399年。

醤油が普及する以前は、生姜酢や辛子酢、煎り酒(削り節、梅干、酒、水、溜まりを合わせて煮詰めたもの)などで食べたそうです。

 

刺身の発祥は東京=EDO

 

 昔の東京の呼び名は江戸=えど=EDOです。

料理としての刺身は、江戸時代(1600〜1868年)に江戸(今の東京)の地で一気に花開いた。そもそも京都は、鯉のような淡水魚を除けば新鮮な魚介類が得られにくいため、いわゆる江戸前の新鮮な魚介類が豊富に手に入る江戸で、刺身のような鮮度のよい魚介類を必要とする料理が発達しました。

 

もう一つの理由は、調味料として「醤油」が入手しやすくなったこと。

江戸時代中期、生魚の生臭さを抑える濃口醤油が江戸に近い野田で大量生産されるようになり、魚を生食する文化は日本以外にも存在しますが、特定の種類の魚の調理法に限定されているようです。

江戸時代の江戸で生まれた、多種多様な魚介類を刺身として生食する習慣は、まさしく醤油という生の魚と相性が抜群によい調味料あってこそのものだったようです。

 

 

刺身とは、歴史、発祥の参考資料:Wikipedia

刺身=さしみの食べ方

小皿に醤油を入れて、そこに刺身をつけて食べます。小皿にわさびやしょうがをいれて刺身をつけてから食べます。又はさしみにわさびを乗せてから醤油をつけて食べる方がわさびの味がよくわかります。

 

刺身に添えられている薬味の穂紫蘇(ほじそ)や菊の花も醤油に入れて食べるのも通の食べ方です。これらを薬味にするのには理由があります。

穂紫蘇(ほじそ)とは、未熟な実をつけたシソの花穂。
手のひらに取り、パンと1回叩くとシソの香りが漂います。刺身の生臭さを消してくれます。

 

刺身に菊の花が付いているのは、昔は冷蔵時術が発達していなかったために殺菌作用のある菊の花を食中毒予防の為に一緒に食べました。

現代では冷蔵時術の発達した日本ですから刺身は新鮮で食中毒の心配は要りませんが、菊の花びらを醤油に浮かべると醤油の茶色と菊の花の黄色で彩がきれいです。

 

この話を外国人の方々に話をすると、「日本人の繊細さが刺身からも理解できる」とおっしゃいます。

日本の刺身=さしみ=SASHIMIの紹介

刺身定食

二ツ島観光ホテル

 

舟盛りの刺身定食です。これで1人前です。

 

刺身の盛り合わせ 

魚金(うおきん)

 

先ほどまで水槽で泳いでいたイカです。イカが透明なのは新鮮な証拠です。

東京新宿区 神楽坂イカセンター

 

初鰹(はつがつお)

4~5月頃に取れる鰹(かつお)をこう呼びます。

江戸(現在の東京)は初鰹をたべるのが粋(いき)であり、カツオ1匹の値段は大工の給料の約2週間分の値段がしたそうです。高価であっても食べることが粋だったそうです。

江戸時代(1600〜1868年)には、和からし(マスタード)をつけて食べたそうです。当時は冷蔵技術が発達してなかったので、和からしの殺菌作用、食中毒予防だったようです。

 

鰹(かつお)は、東京地方ではしょうがで食べることが多いようですが、地方によってはニンニクをすりおろしたもの、ニンニクを薄くスライスして食べる習慣があります。

 

カワハギの刺身。

カワハギの肝を醤油に溶かしたものを肝醤油と言い、肝醤油につけて食べます。

二ツ島観光ホテル

 

白魚(しらうお)の刺身

 

のれそれの刺身。

「のれそれ」とはアナゴの稚魚です。

流通量がとても少ないために、幸運が重なった時だけ食べられます。

 

うにの刺身

貝焼き(かいやき)

生のウニを北寄貝の貝殻に詰めて蒸したものです。蒸すことによってウニの甘味が増します。」

茨城県~福島県~宮城県近辺の太平洋沿岸の郷土料理です。

 

とら河豚(ふぐ)のお刺身。ふぐのお刺身はお皿の模様が見えるくらいに薄く切ってあります。

ふぐの中でもとらふぐは高級品とされています。

 

河豚(ふぐ)の湯引き

河豚(ふぐ)を一度熱湯に短時間入れて、氷水で冷やしてから切ります。

火を通すことによって河豚の甘味が増します。

 


鱧(はも)の湯引き

鱧(はも)の刺身はありません。鱧の血液には有毒成分があり加熱することによって無毒化するので、湯引きにして食べます。
たん熊

 

生牡蠣(なま がき)

ポン酢をかけて食べることが多いです。

牡蠣は季節によって様々な種類があります。

牡蠣アレルギーの方はご注意ください。

 

左:鯛(たい)、中央:赤貝(あかがい)、右:鮪(まぐろ)の中トロ 刺身の盛り合わせ

 

海鞘(ほや)の刺身=さしみ

 

日本人はみんな大好きな鮪(まぐろ)です!

これは鮪(まぐろ)の中落ちです。

中落ちとは、骨の部分についている身をスプーンでそぎ落としたものです。

上の2枚の写真は別の日に撮影したものです。しかし山盛り具合が同じでした。

山盛り具合が手の大きさと比べるとわかりやすいかもしれません。

 

欧米系の方々は鮪(まぐろ)より、サーモンのほうがお好きな方が多いように拝見しています。その理由は収穫量の違いがあって、欧米ではサーモンは入手しやすく食べなれていることも関係しているようです。


これは刺身ではありません。

みんな大好き鮪(まぐろ)です。

鮪の尾の部分のステーキです。

鮪は内臓も加熱したり、塩漬けにしたりして日本では食べられいて、鮪は捨てるところが骨しかないと言われていることがわかります。


写真は刺身包丁です。別の名前を柳葉包丁と言います。長いのが特徴です。

「柳葉」の意味は、柳の葉のように細長いことから「柳葉包丁」と呼ばれています。

長いので素人は使いにくいです。

この包丁を使いこなす板前さんの技術はすばらしいです。

 

日本の食文化4では刺身(さしみ)の紹介をしました。

一般的に日本では「お-さしみ」と呼ばれることが多いです。

 

このページで紹介した「お-さしみ」は来日したら、必ず食べられるわけではありません。ご存じのように魚にも旬があるからです。

 

そして、お店によって鮮度No.1の良いものしかお店に出さないというポリシーを持った板前さんも多いからです。このような板前さんによって日本の食文化である刺身(さしみ)の信用と伝統が守られています。